お子さまが幼稚園に上がられると、ママの時間も少しできますよね。そのタイミングでお仕事を始められたい方も多いと思います。
また、既に仕事をしているが、何らかの事情で幼稚園に転園させようか迷われている方もいらっしゃることでしょう。
保育園ではなく幼稚園ママも、仕事はできる?
そんな疑問にお答えすべく、わが家が子どもを幼稚園に通わせてみて後悔したこと・よかったことをまとめましたので、参考にしていただければ幸いです。
結論:園の特色によるところが大きい
結論から申し上げると、共働き家庭が幼稚園を選べるかは「その幼稚園の特色による」です。
「なんだそんな回答か……」と思われるかもしれませんね。しかし幼稚園によって、子どもの受け入れ体制は本当に大きく異なるのです。
共働き世帯が、幼稚園を選択する前に必ず調べてほしいポイントは次の3つ。
実際の筆者の経験も交え、次から詳しく説明していきます。
預かり保育の実施時間が勤務時間と合うか?
幼稚園に通えるかどうかを決めるのは、保育時間がご自身の勤務時間と合うかどうかと言っても過言ではありません。
2015年4月に子ども・子育て新支援制度が政府主導で始まったことで、幼稚園と保育園の隔たりは狭くなってきています。両方の特色を兼ね備える「認定こども園」が普及してきていることにも、このことが表れています。
とはいえ、やはり保育園よりも保育時間が短いのが現状。預かり保育の時間はその幼稚園が独自に設定しており「夕方のみ、16時半まで」というところもあれば、「早朝保育もあり、18時まで」と園により様々です。
早朝保育を実施していない幼稚園もあり、8時30分以降でないと登園できないということも。登園時間が出社に間に合うかどうかも確認が必要です。
同様に、土曜保育や夏休みなど長期休暇の預かり保育も、仕事をするうえで重要となるのは言うまでもないでしょう。幼稚園の長期休暇は意外と長い……ここも事前に調べておきたいポイントですね。
わが子が通う幼稚園の夏休み、小学校よりも一週間も長いです。
共働き世帯の増加により幼稚園の預かり保育は充実してきていますが、やはり保育園と比べると制約が多くなります。
幼稚園を選ぶ際には、勤務時間や通勤時間、パートナーや両親の協力の有無などを考慮し、物理的にお迎えが可能かどうかを第一に検討してください。
給食やおやつ、お昼寝の時間はあるか?
給食におやつ、お昼寝の時間。どれも保育園では当たり前に提供されているものですが、幼稚園ではこれらが無いことは珍しくありません。
わが子が通う幼稚園も毎日お弁当です……
共働きだからといって、給食がないと通わせられないということは無いのですが、ただでさえ忙しい朝のルーティーンに、子どものお弁当作りを必ず組み込まなければならないのはやっぱり大変。
お昼寝やおやつがない場合も、お迎えが遅いご家庭は夜までもつか心配ですよね。
園生活の事情によっては、朝のスケジュール見直しや子どもの生活リズム調整など、事前の準備が必要となります。
あらかじめ調査したうえで、入園に備え準備をしておきたいですね。
車での送迎が禁止されていないか?
幼稚園によっては、車での送迎が禁止されているところも多いです。
徒歩や自転車で送った後に通勤する、ということになっても就業時間までに出社できるのか……現在自動車で通勤されている方は特によく考えないといけません。
別の保育園へ兄弟を送迎する人は要注意です!
ただ、幼稚園によってはバス通園できるところも多く、近くにバスの停車場があればメリットとなり得ます。送迎の時間が短くなるのは嬉しいですね。
預かり保育や給食の有無は「認定区分」によって異なります。
こども園の場合、就労等保育が必要な事由が認められ、保育園児と同じ「2号認定」に認められる場合のみ、預かり保育や給食の提供が可能という市区町村もあります。認定区分についての詳細はこちらをご覧ください。
共働きのわが家が幼稚園に通っている理由
わが家の3人兄弟が、赤ちゃん期にお世話になったのは小規模保育園です。2歳児までの保育しか実施しておらず、3歳を迎え卒園を控えるようになると、早くも次の進路を考えないといけない場面に。
ただ、通っていた園は3歳児以上の受け入れ先も準備してくれていたので、提携園にエスカレーター式で上がることも可能でした。長男はそのまま提携園へ進級したのですが、あまりよい環境とは言えない園でした。
弟と妹は別の預け先を考えるようになり、そのときに選択肢として挙がったのが幼稚園だったのです。
次男は幼稚園型こども園へ
次男の性格上もきっと合わないと思い、早々に別の園への入園を考えました。
提携園じゃ規律も厳しく先生の表情もいつも険しい…長男は朗らかな性格なので問題なかったのですが、次男は神経質なところがあり少々心配でした。
しかし3歳児から入れる保育園は少なく、選んだのは幼稚園型こども園。3歳児の受け入れが多いので、2号認定としてすんなり入園することができました。
正確に言えば「こども園」となります。以下のように保育環境も整っていたのが、入園の決め手となりました。
- 預かり保育は朝7:30から、夕方は18:30まで(土曜はなし)
- 長期休暇も、お盆年末年始以外は保育あり(2号認定なら行事振替や創立記念日も)
- 給食は週5、おやつも手作りのものを用意してもらえる(ポイント高し…!)
- お昼寝の時間も年長の前半まであり(布団は持参)
とはいえ、もともとは公立の幼稚園。周囲は専業主婦や、働いていてもパート勤務ママのお子さんが占める割合の方が圧倒的に高く、それゆえ感じた様々な弊害もありました。
長女は公立の幼稚園へ
この春から、長女は公立の幼稚園に通い始めました。「週5日のお弁当」「おやつ持参」「お昼寝はほぼなし」という、正真正銘の(?)幼稚園です。
なぜあえて過酷な選択肢をしたのか、その理由は次の2つです。
- 預かり保育が17時までに延長されたこと
- 兄が通う小学校の隣に位置すること
預かり保育は長期休暇もありますが、創立記念日や運動会の振替などは実施していません。その日は一時保育で何とかしのいでいます。
毎日のお弁当も不安でしたが、3歳児の小さなお弁当にはそれほど時間もかからず、習慣づいてしまえばさほど辛くはありません。
お昼寝なしは正直辛いですが…(帰宅後の機嫌が悪い&何とか寝落ちさせてはならぬというプレッシャーのため)
何より兄弟が同じところに通えるという安心感が一番のメリットです。ときどき校舎から兄が手を振ってくれたり、幼稚園と小学校との交流の機会もあったりと、とても楽しく過ごしてくれているようです。
私自身は時短勤務を取得し働き方を変えましたが、子どもたちが園生活・学校生活を楽しんでいる話を聞くと、これでよかったなと日々感じています。
ワーママが子どもを幼稚園に通わせて後悔したこと
わが家が次男を通わせている保育園は、預かり保育が比較的充実した幼稚園です。しかし、それでも実際に通わせてみて、見えてきたデメリットも多々あります。大きく分けると、以下の3つです。
ご自身の家庭にも当てはめながら、ぜひ確認してみてください。
平日の行事が多い
共働き前提の保育園と違い、幼稚園は平日の行事がとても多いです。参観や懇談で、月に1回は平日の幼稚園に駆り出されています。
役員になると、さらに平日園に赴く必要が出てきますよね…
しかも、ママの参加率高し=パパが代わりに参加するには抵抗感あるかもしれません(パパの性格による)
仕事は有給で対応し、その都度気まずい思いをしているのが正直なところ。ただ、私の職場は同世代のワーママが多く、周囲の理解があるため「お互いさま」の気持ちで仕事の調整ができています。
有給の取りやすさやシフトの調整のしやすさ等は、職場の環境によって大きく違うものと思います。どの程度なら参加可能か、参加できなかった場合の子どもの気持ちはどうか、などを予め考えておくことも大切ですね。
早く帰る子が多いので寂しい思いをする
次男が通う幼稚園は母体は公立幼稚園ですが、こども園化されたこともあり、日常的に預かり保育を利用している方が多いです。それでも、クラスの半数以上は14時に帰ってしまうので、子どもからするとやっぱり寂しいですよね。
また、長期休暇中も登園するお友達が少ないので、登園拒否を起こすこともしばしば。
平日は朝から布団で泣きわめいていました…
不安を煽るようなことを申し上げましたが、親が思っている以上に子どもは適応力があるもの。毎日、子どもと園での出来事やそれに対して思ったことをたくさんお話しして、たくさん受け入れてあげて下さい。
入園当初は行き渋りを起こす日もたくさんありましたが、1日1日頑張ってくれたことに「ありがとう」と感謝を伝えるよう心掛けました。
出来るようになったことに「〇〇ができるようになったんだね!頑張って挑戦したんだね!」等ほめることを継続すれば、預かり保育に通う自分に自信をつけることができ、抵抗感も徐々に薄くなっていったようです。
慣れてくると、預かり保育ならではの学年を越えたつながりも生まれ、幼稚園のクラスではできない遊びや体験もでき、充実した時間を過ごせるようです。
今では預かり保育が楽しくて、「お迎えが早すぎる!」なんて怒られる日も。ホッとする反面、今度はママがちょっと寂しいですけどね(笑)
園とのやりとりの場が少ない
保育園ですと連絡帳というツールがあり、そこで先生と保護者とのやり取りが行われますが、幼稚園はこの連絡帳がないところが多いと聞きます。
年少の頃は特に、園でどのように過ごしたか子どもに聞いてもよくわからず、不安になることがしばしば。
通常のお迎えでしたら担任の先生と話す機会があるのですが、預かり保育の時間だと担任の先生がいないことも多いです。
気になることがあれば、預かり保育の先生に言伝し、翌日担任の先生に連携していただいたりと、こちらから積極的に様子をうかがうよう意識していました。
また、こちらからその日の体調や不安なこと等を連絡することがあれば、登園時に個別に先生にお伝えするよう心掛けています。
幼稚園に通ってよかったと思うこと
もちろん、幼稚園に通わせてみてよかったと感じたこともたくさんあります。わが家が幼稚園を選んだ一番の理由は、先述したよう「園の雰囲気の良さ」という何ともざっくりしたものでしたが…
保育園ではなく幼稚園に通わせる一般的なメリットとして、以下の2つが挙げられます。
教育が充実している
園にもよりますが、幼稚園は文部科学省の管轄ということもあり、保育園に比べると教育が充実している園が多いです。
次男が通う幼稚園は公立ですが、月に1度、外国人講師による英語の時間があり、他にも外部講師を招いての体操の時間やサッカー教室も行われています。年長になれば、小学校入学後を意識した学習の時間も設けられるようになりました。
私立幼稚園ですと、教育環境がより充実していると聞きます。保育園でも、5歳児クラスになると読み書きを教えてくれる園もありますが、まだまだ少数派。
小学校受験を考えている方にはなおさら、自宅学習では受験のための準備時間も思うように捻出できないので、幼稚園で勉強のサポートをしてもらえると助かりますよね。
ちなみに、小学校受験では文字の読み書きに関する問題は出題されないようです。入学前に文字に興味を示さなくても、入学後の学習で大きな差はつかないとのデータもありますので、あまり深刻に考えすぎないで下さいね。
園での様子を実際に見る機会がたくさんある
幼稚園は保育園以上に参観などイベントが多く、園での子どもの様子を目にする機会も多いです。
先に挙げたデメリットと表裏一体ですが、保育園では平日に参観という機会自体が設けられておらず、普段の様子を実際に見たくても見られない、という方も多いと思います。
参観や懇談のたびに仕事を休ませてもらうのは心苦しいですが、お家では見られない子どもの姿を見られるのは、仕事1日分以上の価値があると考え出来る限り参加するようにしています。
お友達や先生との関わり方はどうか、園が掲げる教育方針と現場にズレがないか、実際の保育の場面を見てわかることもたくさんあるからです。
何より、園のお友達と過ごすわが子が見せる表情はいつもよりキラキラしていて、成長を感じさせてくれますよ。
ワーママでも幼稚園は無理じゃない!子供に合った教育の機会を
昨今では、共働き家庭の増加により、多くの幼稚園が預かり保育を充実させてきている傾向にあります。
希望する園の預かり保育体制と、ご家庭の勤務形態やサポートの有無で条件がマッチすれば、ワーママが幼稚園に通わせることも可能です。
上に挙げたこと以外でも、就労時間等の基準がないため入園しやすい、学区内の公立幼稚園なら小学校の入学がスムーズ、など、個々の事情によって、共働きでもあえて幼稚園を選ぶメリットはたくさんあるものと思います。
わが家も、通い始めた当初はいろいろ悩み後悔したこともありましたが、次男が年長になった今振り返ると、結果的に幼稚園に通ってよかったと思えることの方が多いです。
皆さんも、デメリットとメリットとを総合的に考え、お子さんにとってよりよい選択ができるよう願っています。